昭和30年代の初め頃、駅前の商店街の一角で商売をしていた私は、金魚の飼育を楽しんでいました。金魚仲間の藤野氏から、金魚の王様と言われる「らんちゅう」の話を聞き、早速近所の金魚屋さんで取り寄せてもらい大事に育てのですが、写真や絵で見た「らんちゅう」と違い、頭のコブが出ませんでした。 昭和35年頃に、本屋さんで「らんちゅう」の本を探し、お名前が載っていた名古屋の長谷川先生にお願いし、稚魚を分けて頂ける事になり、早速お邪魔しました。ご自身の青子は選別をしたばかりで数が少なく、お弟子さんになる愛好家の方をご紹介くださり、奥様がわざわざ車で連れて行ってくださいました。蛇足ですが、その時の車は大きな外車で、初めて外車に乗せて頂いたのを憶えています。ご紹介頂いた方に無理をお願いし、たたき池1面に入っていた60〜70尾の青子を分けて頂く事ができました。その時に、長谷川先生から「らんちゅう」の飼育方法を、餌のミジンコの事から始まりいろいろと教えて頂きました。 持ち帰った青子は、藤野氏と半分ずつ分けて、私の本格的な「らんちゅう」飼育が始まった次第です。
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